スマートウォッチを用いたテニスストロークの検出と識別

抄録

日本テニス協会によると,日本のテニスの競技人口と指導者は減少傾向にあり,今後も減少が続くと懸念されている[1].初心者にとって安全で正しい技術を身につけることは,どのスポーツにも重要である中で,指導者の減少は大きな懸念点であり,指導者がいなくてもテニスの技能向上が図れるシステムの需要が高いと言える.先行研究では,ストロークの識別やストロークの評価を行った研究があるが,リアルタイムではない点,ストロークを連続で行うラリーからストロークの識別を行っていない点で実用的とは言えない.そこで本研究では,指導者がいなくてもテニスの初心者が技能の向上できるシステム開発を目的として慣性データの取得とアドバイスの提示が可能であるスマートウォッチで計測したデータを用いて,ラリー中のデータからストロークの検出と分類の検証を行った.ラリーデータからのストロークの検出手法として,スライディングウィンドウ法を用いて,ストロークに該当するデータの抽出を行った結果,90% 以上の精度で検出することが可能であった.検出したストロークをフォアハンドストローク,バックハンドストローク,その他の動作の3つを識別するため,機械学習による分類を行った結果,最も高い学習モデルで,90.9% の精度の分類が可能であることが明らかになった.

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