メタバース利用者の匿名性と特定・追跡性の両立に関する考察 ― 安心・安全なメタバースを目指して ―

抄録

メタバースは,サイバー空間に構築された,人々がデジタル的に交流し活動するサイバー社会であり,現在はゲームやエンターテインメントの分野を中心に活発に使用されているが,今後はビジネス,教育,医療等の分野での活用も期待されている.一方,フィジカル社会とメタバースの関係が密になるにつれ,メタバースのセキュリティリスクがフィジカル社会の安心・安全に直結するリスクとなることが想定される.メタバースを活用するサイバー・フィジカル社会の安心・安全を維持するには,十分なセキュリティ対策を施した安心・安全なメタバースの構築が重要となる.本稿では,フィジカル社会の利用者(個人・法人)と紐づけられたメタバースのエンティティ間のコミュニケーション,エンティティ間の取引,フィジカル社会の利用者とその利用者に紐づけられたエンティティ間の資金移転,等の基本的なサービスを提供するメタバースを対象に,セキュリティ対策としての利用者のメタバースでの匿名性と特定・追跡性の両立を目指した,メタバースの構成・仕組み等を提案する.

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