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- Other Title
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- IMF融資条件の構造改革化と国際金融システム(下・その5)
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Abstract
IMFが1963年に設立したCFF(輸出変動補償融資ファシリティ)は、一次産品輸出国に、一時的で外的要因による輸出の減少を対象に、事実上融資条件を課さずに資金を供給する特別融資制度である。1955年のアジア・アフリカ会議から64年のUNCTAD(国連貿易開発会議)に向かう当時の、国際政治における途上国の台頭を象徴する出来事の一つと言ってよいであろう。IMFは、一次産品輸出の脆弱性に対する寛大な対応を求められたのである。ところが80年代になると、CFFの対象は狭く解釈されるようになるとともに、その利用にはIMFの通常融資の申請とそのプログラム(経済改革)の実行が求められるようになる。一次産品をめぐる認識のありようが、植民地主義への反省を含む世界経済全体の<構造的>問題から、一次産品輸出国国内の<構造的>問題へとパラダイム・チェンジしたと言えよう。そして、こうしたCFFの変化を一翼として、IMF融資条件全体の構造改革化が進行していくのである。
Journal
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- The journal of the Society for Studies on Economies and Societies
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The journal of the Society for Studies on Economies and Societies 63 (1-4), 145-189, 2023-08-25
久留米大学経済社会研究会
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1050016262470508928
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- NII Book ID
- AA12584414
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- ISSN
- 24332682
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- HANDLE
- 11316/0002000020
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- Text Lang
- ja
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- Article Type
- departmental bulletin paper
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- Data Source
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- IRDB