免疫吸着療法が有効であった特発性慢性感覚失調型多発神経炎の1例

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説明

下肢の異常感覚にて発症し,その後,歩行障害が徐々に進行し,約7年の経過で独歩不能となった特発性慢性感覚失調型多発神経炎の1例を報告した.神経所見にて下肢の深部感覚障害,腱反射減弱を認めた.悪性腫瘍や膠原病などの基礎疾患は認めなかった.神経生理学検査では,著明な感覚神経伝導障害とともに軽度の運動神経障害も観察され,神経生検にて大径有髄神経の著明な低下を認めた.免疫吸着療法を施行したところ,電気生理学的検査所見にて改善が見られた.本例は,本疾患に免疫異常が何らかの関与をしている可能性と,本疾患に免疫吸着療法が今後試みる価値がある治療法であることを示唆している.

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