「国際日本語論」という科目で何を扱うか

書誌事項

タイトル別名
  • What should be covered in the course “Kokusai-Nihongo-ron (Discussions over “Japanese Language” in a global context)”?
  • 「 コクサイ ニホンゴロン 」 ト イウ カモク デ ナニ オ アツカウ カ

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抄録

本稿は, 本学外国語学部国際日本語学科の必修科目「国際日本語論」の目的について考察を深め,扱う内容について検討し,一定の枠組みを作り上げた過程を記録したものである。どのような問題意識を背景に,どういった項目を扱うのかの検討に焦点を当てているため,授業の実践報告としての要素は薄いが,2022年度の授業実践によって見えてきた課題についても整理した。 具体的にはまず,「国際日本語論」を,「日本語が日本という国で日本人が用いている言語であるという意識をある程度相対化し,そこから見えてくる日本語の多様な姿に目を向け,日本社会や世界における日本語の役割について,自ら主張できる土台を作るための議論」と解釈した。そして,言語と社会の関係についての一般知識を横軸に,近代以降の日本語に関する議論や政策についての理解を縦軸に,学生が日本語の将来像を描いていけるような授業設計を試みた。結果として,扱うトピックが多岐にわたっているため,広い視野から問題を捉えることと,それぞれの論点を深く理解することの両立が課題として残った。扱う範囲をどう取捨選択するかについては,情報収集と試行錯誤を続けるしかないが,あわせて他の科目との連携が欠かせないことを指摘した。

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