骨伝導聴覚刺激はオンライン配信に共在感覚を誘発する

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抄録

通常,環境ノイズは人の情報処理を阻害するが,オンライン配信ではむしろ他の観客が同一空間に存在する感覚(共在感覚)を高めうる.この仮説を検証するために本研究では,62名を対象にオンライン配信の音声と一緒に雑踏感を伴う環境音を骨伝導イヤホンで提示する実験を行った.その結果,骨伝導刺激がある場合より,ない場合は心拍数が有意に高くなるフレーズが見られた.また,「すぐ真横」および「手の届く範囲」の共在感覚についての主観的評定値は骨伝導刺激がある場合の方が有意に高かった.この結果は,骨伝導刺激による環境音に違和感を覚える人は少なく,オンライン配信に臨場感を生み出す方法として有益であることを示唆する.

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