臨床検査技師養成過程における染色体遺伝子検査学教育と臨床検査技師国家試 験問題に対する一提言

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抄録

ヒトゲノムの解読が終了したのは 2003 年 4 月のことであった.この情報をも とに,染色体遺伝子検査 1, 2),遺伝学的検査 1, 2),また SNP 解析,ミトコンドリ ア SNP 3)や薬剤感受性を調べるファーマコゲノミックス 4)が発展しており、オ ーダーメード医療が期待されている.また現在,国際 HapMap 計画が進められ ている 5).この計画は,ヒトの病気の薬に対する反応性に関わる遺伝子を発見す るための基盤を整備するプロジェクトである.このように染色体遺伝子情報を 疾患治療に役立てようとする技術は進歩し続けている.また様々なデータベー スが構築されている 6, 7, 8, 9).シーケンサーなどの技術革新が一層進み,医療に有 益な情報が容易に得られるようになった.数年前には染色体遺伝子検査は自費 で行われることが多かったが,最近では診療報酬も認められ始めている 10, 11). しかし,医療現場の現状はどうだろうか. 染色体遺伝子検査 1, 2),遺伝学的検 査 1, 2).SNP 解析,ミトコンドリア SNP 解析 3)や薬剤感受性を調べるファーマ コゲノミックス 4)のような検査を行うには,費用や機器もさることながら,適 切な知識に裏付けされた高度な技術を持った専門職が必要である.養成校を卒 業し,臨床検査技師免許を取得しただけでは対応できないというのが実情であ ろう.この論文では,筆者の教育経験と長年行ってきた染色体遺伝子研究をも とに,改善策を考えた.

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