社会福祉士養成課程における臨床参加型実習経験に対する学生の認識 ―A大学における2014-2022年度相談援助実習後学生調査から―

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タイトル別名
  • Students’ perceptions of clinical participatory practicum experience in social worker training course: A Survey of Students after the 2014 - 2022 counseling assistance field practicum at University A
  • シャカイ フクシシ ヨウセイ カテイ ニ オケル リンショウ サンカガタ ジッシュウ ケイケン ニ タイスル ガクセイ ノ ニンシキ : A ダイガク ニ オケル 2014-2022ネンド ソウダン エンジョ ジッシュウ コウガクセイ チョウサ カラ

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抄録

本研究では、相談援助実習終了後の学生調査をもとに、社会福祉士養成課程における臨床参加型実習経験に対する学生の認識を明らかにし、社会福祉士養成課程における実習教育における検討課題を得ることを目的とした。 クライエントや関係者と直接・間接的に関わる臨床参加型実習体験は、日本社会福祉養成校協会北海道ブロック/北海道ブロック社会福祉実習研究協議会(以下、北海道ブロック)「相談援助実習評価表」の技術・技能に関する評価項目に対応する体験とし、2014-2022年度に相談援助実習を終えた、A大学の学生459名を対象に学生調査を実施した。 本研究における調査結果によると、社会福祉士課程における実習では、ほとんどの学生が臨床参加型実習体験を経験し、最も多い項目は、他職種連携だった。直接関わる実施と試行的なロールプレイ経験をあわせた能動的体験(実施・試行)は、体験項目は限定的だが76.3%の学生が経験しており、最も多い項目は、面接63.4%であり、コロナ禍期間(2020-2022年度)の経験は、それ以前を上回っていた。 さらに、能動的体験(実施・試行)を、ほとんどの学生が必要な実習体験と認識し、経験者のほとんどが、自らの実習成果との関係で肯定的に捉えていた。実施経験を得た学生の自由記述からは、【OSCE経験を踏まえた実施】体験が、【実習指導者に守られた環境】と【実習生の役割発揮】の上で、【同行・同席を経た実施】として行われ、【思考の深まり】や【スキル向上を意識】する経験となっていた。 以上を踏まえ、今後の社会福祉士養成課程における実習教育に向けた検討課題として、実習関係者での実習教育目標の共有、社会福祉士養成校による事前評価方法の標準化、能動的体験の実習プログラム化と共有、実習評価の引継ぎシステムと実習スーパービジョンのあり方を指摘した。

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