あるサバティカル研修 : 私のヨーク大学滞在記

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タイトル別名
  • A case of sabbatical leave : my stay at the University of York
  • アル サバティカル ケンシュウ : ワタクシ ノ ヨーク ダイガク タイザイキ

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抄録

サバティカル研修制度を利用して、イギリスのヨーク大学・生物考古学研究所で3ヶ月間の訪問研究を実施した。 その目的は1.アジアの遺跡から出土したキジ科鳥類の骨のコ ラーゲンタンパクの質量分析を用いた同定 (ZooMS) の基準を確立すること、2.ZooMSによる遺跡資料の「微破壊」分析の方法を学ぶこと、 3.英会話力を向上させることであった。ヨーク大学や日本の研究機関に加え、ウォルター・ロスチャイルド動物学博物館やシェフィールド大学の標本を分析させていただくことで、 アジアの遺跡から出土したキジ科鳥類の骨の ZooMS による同定の基準作りは大きく進展した。 また、 消しゴムを利用して資料の表面を優しくこする「微破壊」サンプリングで実施した香深井l遺跡から出土した哺乳類骨の同定でも一定の成果をあげることができた。 英会話力については大幅な改善は実感できなかったものの、期せずしてイギリスの歴史においても稀有な時期を現地で過ごすことになった。君主はエリザベス2世からチャールズ3世に代わり、首相も滞在中に2回の交代をみた。サッカーのワールドカップ・カタール大会が開催され、コロナ禍から平時に復帰していく時期のイギリスにおいて、日本との文化の違いを実感するという点でも有意義な滞在となった。機会があればぜひサバテイカル研修を活用することをお薦めしたい。

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