群馬県安中市注連引原II・大上遺跡における植物利用 : レプリカ法による弥生前・中期土器の検討

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タイトル別名
  • Plant use at the Shimehikihara II and the Okami sites : Study of Early and Middle Yayoi potsherds by the replication method

抄録

関東平野北部における弥生文化前半期の植物利用の解明を目的として、群馬県安中市に所在する注連引原Ⅱ遺跡(257個体)および大上遺跡(125個体)出土土器をレプリカ法によって検討した。 各遺跡からそれぞれ13個、6 個の計19個のレプリカを作成し、それらを走査型電子顕微鏡によって観察した結果、注連引原Ⅱからアワ有ふ果3個、キビ有ふ果2個、アワもしくはキビの有ふ果1個、エノコログサ属1個、大上遺跡からアワ有ふ果2個が発見された。注連引原Ⅱ遺跡出土土器は弥生前期、大上遺跡出土土器は前期~中期前葉と考えられ、この地域においては大陸起源のイネ科栽培植物は弥生前期にはすでに存在しており、なおかつイネではなく雑穀が優勢であるという現在までの理解が追認された。 ただし、この結果は、検出されたすべての雑穀がこの地域で栽培されていたことを意味するものではない。とくに弥生前期段階は農業の存否やその技術について不明な点が多く、農具、居住形態、土地利用、他地域との関係などを視野に入れた総合的な検討は今後も必要である。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1050017887577311616
  • HANDLE
    2115/91237
  • ISSN
    24365874
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • IRDB

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