社会福祉と平和に関する研究と活動の動向:ソーシャルワーカーのまなざしから

書誌事項

タイトル別名
  • シャカイ フクシ ト ヘイワ ニ カンスル ケンキュウ ト カツドウ ノ ドウコウ : ソーシャルワーカー ノ マナザシ カラ
  • Trends in Research and Activities Related to Social Welfare and Peace:From the Eyes of Social Workers

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抄録

2022 年 2 月 24 日に始まったロシアのウクライナへの侵攻,その停戦の兆しも見えない 2023 年 10 月 7 日,イスラム組織ハマスによるイスラエルへの大規模攻撃が行われ,反撃に転じたイスラエル側の応酬もエスカレートし,ジェノサイドともいう事態に陥っている。「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義(以下,グローバル定義)(2014 年)」を受け,日本ソーシャルワーカー協会の倫理綱領には,「平和を擁護し」の文言を加えた。戦争と社会福祉は相容れない。平和へのマクロ的な取り組みはソーシャルワーク教育にとっても必須の項目となるはずである。本研究では,社会福祉学と平和に関する近年の先行研究を整理するとともに,ソーシャルワーカーによる平和を希求する活動例を取り上げ,マクロソーシャルワークとの関係やソーシャルワーク教育との関連についてソーシャルワーカーの視点で検討することを目的とした。これらの検討を重ねた結果,グローバル定義を受けた日本ソーシャルワーカーの倫理綱領にある「平和擁護」の概念についてはソーシャルワーク教育のテキストではほとんど取り上げられていないことが分かった。福祉と対極にある「戦争をしないこと(=非戦)」への取り組みを被爆国のソーシャルワーカーとして学ぶことが重要である。また,マクロソーシャルワークの事例として学生の平和を希求するソーシャルアクションの活動事例等を加えて,実践的に教授していく意味を見出すことができた。本論文は,いずれも実践現場での経験を有する社会福祉士の有資格者であり,原爆被害者相談員の会の活動に参加し,現在ソーシャルワーカー養成教育に携わっている3 名による共同研究であり,先行文献や実際の活動例を持ち寄り,協議を重ねながら執筆したものである。尚,第 1 章,第 2 章,第 5 章以下を眞砂が,第 3 章を竹森が,第 4 章を田川が主として担当した。

ソーシャルワーク専門職のグローバル定義

平和の希求

マクロソーシャルワーク

原爆被害者相談員の会

identifier:FO002000011732

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