戦時下鳥取県における方面委員に関する一考察

書誌事項

タイトル別名
  • センジカ トットリケン ニ オケル ホウメン イイン ニ カンスル イチ コウサツ
  • A Study on Area Committee Members in Tottori Prefecture during War (1937-1945)

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抄録

本稿の目的は方面委員が深く関わった募金週間の分析を通して,戦時下鳥取県において方面委員がどのように戦時体制に迎合し,その中でいかなる役割が期待されたのかを明らかにすることにある。募金週間は歳末同情週間として始まり,その後方面同情週間,方面強調週間,そして庶民生活強化運動へと変遷していった。その中で方面委員に求められたことは,募金を集めることの他に,一つは天皇制国家の担い手としての役割であり,二つ目は福祉対象者の輔導者としての役割であり,最後に隣保相扶の美風を醸成することであった。こうした中で方面委員は一定の社会的認知度を高めていったが,自律的な福祉従事者集団として認知されたかといえばそうではなかった。その理由は方面委員がその存立根拠を自ら自身の中に求めるのではなく天皇に求めたこと,また客観的な援助論を欠いていたことがあげられる。そして隣保相扶にかかわっても方面委員は独自の地位を占めることができなかったと考えられる。

方面委員

天皇制

輔導者

隣保相扶

identifier:FO002000011735

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