前頭洞炎の頭蓋内・頭蓋骨外進展:Pott’s puffy tumorと硬膜下膿瘍を発症した2症例の報告

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  • Intracranial and extracranial extension of frontal sinusitis: Two cases of Pott’s puffy tumor with subdural empyema

抄録

Pott’s puffy tumor(PPT)は骨膜下膿瘍を伴う前頭骨の骨髄炎であり,副鼻腔炎の合併症の1つである.PPTは10歳台に好発し,頭蓋内病変を合併することも多い.症例はいずれも10歳,発語減少や不穏,意識障害などの症状を契機にPPTと診断された,硬膜下膿瘍合併の副鼻腔炎である.PPTは前頭洞炎からの進展が最多とされ,症例1,2いずれも前頭洞から板間静脈を介した進展と判断された.起炎菌は嫌気性菌や日和見菌のことがあり,複数菌種が関与することもある.治療は内科的・外科的治療を併用することが多く,治療経過や予後の観点から適切な選択が重要である.ここに報告する症例では各々,Fusobacterium sp.とPseudomonas alcaligenesが検出され,複数菌種を想定した抗菌薬加療を行い,2症例とも外科的治療を要した.副鼻腔炎の頭蓋内合併症は速やかに診断し,細菌学的検索,適切な抗菌薬の選択,適切な時期の外科的治療が重要である.

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