中国重彩画における日本画のマチエール表現の活用についての考察 -材料及び技法を中心に-

書誌事項

タイトル別名
  • Research on the Utilization of the Matiere Expression of Japanese Painting in Chinese Heavy-Color Painting Focusing on Materials and Techniques

抄録

筆者は中国の重彩画の改革と革新に取り組んでおり、日本画の「マチエール」の表現を取り入れることで、材料と技法の観点から新たな可能性を探求している。本論では、これまでの研究成果を統合し、進行中の研究の中間報告としての役割を果たす。 「中国重彩画」という語は、既存の日本の文献では限られた言及しかされていないが、中国の学術界では相当に議論された分野である。中央美術学院で蒋採蘋氏がこの学問分野を設立した1990年代まで、より体系的な議論はほとんど出てこなかった。筆者の先行研究における、学者たちによる初期文献をまとめ、重彩画の起源、定義、材料、技法について詳しい説明を整理した。 さらに、筆者は日本画における歴史の推移から体系を学び、「新重彩画」という概念を提示した。この概念が筆者自身の制作を貫き、作品を通じて現出させることと同時に、日本画におけるマチエール表現を利用して、現在の重彩画における材料学体系を改良する方法を説明する。

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