怖い絵本を楽しむことの発達―1~3 歳児クラスにおける絵本の読み聞かせ場面の分析を通して―

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  • Development of enjoying scary picture books ―Analysis of picture book reading scenes in classes for 1-3 year olds―

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抄録

本研究では,子どもはいつ頃から怖い絵本の怖さに気づき,それを楽しめるようになるのかについて検討した。1,2,3 歳児クラスの子どもたちに怖い絵本を集団的に読み聞かせ,そこで観測された1人ひとりの子どもの反応を絵本の場面ごとにポジティブ(微笑む,笑い声をあげる,絵本と関連した発言をするなど),ネガティブ(「怖い」「いやだ」などと言う,顔を背ける,目や耳をふさぐなど),ニュートラル(集中して見ているがポジティブもしくはネガティブに偏った表出はなし)のいずれかに分類した。分析の結果,2歳半頃までの子どもの多くは怖い絵本の怖さに気づかず,あまり反応も見られないが,2歳半を過ぎた頃から怖さに気づいて怖がるようになるとともに,その先にある幸福感を求めて楽しめるようになることが示された。また,怖い絵本を楽しめるかどうかは絵本の新奇性によっても異なることが示された。

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