インプロとジェンダーの実践研究は私たちを変えたのか-「ザ・ベクデルテスト」上演継続のアクション・リサーチを終えて(1)-

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タイトル別名
  • Did the Research on Impro and Gender Practice Changed Us? -After Completing the Action Research to Continue Performing “The Bechdel Test” (1)-

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抄録

本稿の目的は、「インプロとジェンダー探究プロジェクト」における「ザ・ベクデルテスト」の上演継続が、同プロジェクトの共同主宰者である私たちを変えたのかを、共同主宰者間でのプロジェクト終了後の相互インタビューを手がかりに明らかにすることである。本稿では、その(1)と題して、共同主宰者の1人である直井の変化に着目した。直井は、相互インタビューで語った自身の変化を整理・再考し、またもう1 人の共同主宰者である園部から語られた直井の変化に触れながら、2 年間のプロジェクトを通した自身の変化を省察した。 その結果、直井は、「上演チームを率いること」への自信のなさが軽減されたこと、「インプロ演者としての自分」を許せるようになったこと、という2つを自身の変化としてまとめた。園部は、その直井の記した変化に呼応し、その変化をより象徴的に示していると考えられる最終上演で直井が演じた主人公によるモノローグとシーンを取り上げ、その変化を考察した。 以上を通して、2年間の上演継続を経て、直井が目の前の共演者とその場でのやりとりに身を任せながら演じていく姿を描き出すとともに、上演継続により「自信」の意味合いも変化していったことを示した。

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