長野県在来カブ品種‘開田蕪’における自家採種の現況

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  • Current Status of Onfarm Seed Saving of ʻKaida kabuʼ, a Local Turnip Variety in Nagano Prefecture, Japan

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抄録

長野県木曽郡木曽町開田高原において,長野県在来カブ品種‘開田蕪’の自家採種農家および自家採種圃場を対象に現地調査を行った.その結果,‘開田蕪’は42戸の採種農家により採種され,母本数の平均は20.7個体であった.そのうち,全体の92.5%が16個体以下,70.0%が10個体以下であり,100個体以上の大規模採取種は7.5%であった.また,採種圃場と隣接する採種圃場間の距離や,聞き取り調査から自家採種農家間での遺伝的交流の存在が明らかとなった.同地域内において‘ピンク蕪’と呼ばれる新規の系統が少数の農家間で維持されおり,形態的特徴や由来の解明が求められた.‘開田蕪’は依然として多くの農家によって採種されているが,高齢化などから今後採種農家が減少することが予想され,遺伝的多様性を維持・保全するために地域内で別のカブを開花させない等の採種意識の向上が効果的であると考えられた

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信州大学農学部AFC報告 22 : 31-36, (2024)

収録刊行物

  • 信州大学農学部AFC報告

    信州大学農学部AFC報告 22 31-36, 2024-03-31

    信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター

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