書誌事項
- タイトル別名
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- Old Liberalist and Nichiren Buddhism: Liberalists and Risshō-ankoku in the Taisho Period
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抄録
大正デモクラシー期において、自由主義的価値観を共有する知識人(オールド・リベラリスト)は日蓮思想をどのように受容し、信仰者としていかなる発言をしていたのであろうか。本稿は、石橋湛山と山田三良(法華会創設者の一人)の言説を検討するものである。近代日本における日蓮思想の研究は、国体論的日蓮主義を代表的事例として検討されてきた。しかし、広義の近代日蓮思想を把握するには、明治憲法の枠の中で自由主義的価値を堅守しようとする日蓮信仰者の検討を欠くわけにはいかない。石橋湛山は言論の自由との関係で日蓮思想を受容して、自らの行動規範の核とし、リベラリストとしての信念と日蓮思想が内的に結合した愛国の精神に行き着いた。山田三良は宗教を選択できる自由を確保した上で、日蓮信仰を介した教育家の精神修養こそが、間接的に国を栄えさせていくとする立正安国のビジョンを持った。両者はともに日蓮思想を自己の信念としつつ、同時にリベラルな価値を堅守していこうとするところで共通していた。さらに日蓮思想に顕著な向社会性(立正安国)を捨て去ることともなかった。
収録刊行物
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- 創価人間学論集
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創価人間学論集 (17), 109-124, 2024-03-30
創価大学人間学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050018207788170496
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- NII書誌ID
- AA12332998
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- HANDLE
- 10911/0002000206
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- ISSN
- 18827942
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB