生活情報番組のディスコース・ストラテジー : 固定的性別役割分業意識の容認へと導く言語的装置の分析

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書誌事項

タイトル別名
  • Functions of discourse strategies in a daily life information TV program : An analysis of the linguistic devices leading viewers to accept gender role ideologies
  • セイカツ ジョウホウ バングミ ノ ディスコース ストラテジー コテイテキ セイベツ ヤクワリ ブンギョウ イシキ ノ ヨウニン ヘト ミチビク ゲンゴテキ ソチ ノ ブンセキ

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抄録

ジェンダー・イデオロギーを伝達する機能をもつ談話については、ジェンダー・イデオロギーが談話の中にどのように仕込まれているかを明らかにすることとは別に、視聴者がそれと気づかぬうちにジェンダー・イデオロギーを容認するよう仕向けられてしまう談話内の言語的装置(仕組み)を明らかにすることが必要になる。本稿では、テレビの生活情報番組の冒頭部分で展開される短い談話を材料に、そうした言語装置として、批判的談話研究の枠組みである「ディスコース・ストラテジー」が機能している可能性について検討した。具体的には、時間管理をテーマとする談話において、主婦を“ できない主婦” と“ できる主婦” に二分する「指名ストラテジー」、“ できない主婦” と“ できる主婦” それぞれの特性を記述する「叙述ストラテジー」および「強調・緩和ストラテジー」、“ できない主婦” =視聴者が“ できる主婦” を見習うことの必要性・有用性を示唆する「観点化ストラテジー」、“ できる主婦” = “ 良き主婦” であることは大事であるという「主婦」役割の規範意識(固定的性別役割分業意識)を容認するよう誘導する「論証ストラテジー」が、論証ストラテジーが他のストラテジーを包括する形で機能する様子を見出すことができた。

収録刊行物

  • 阪大日本語研究

    阪大日本語研究 36 21-43, 2024-02

    大阪大学大学院人文学研究科基盤日本語学講座

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