韓・日両言語の反対意見表明行動の対照研究 : 場の改まり度による表現形式の使い分けを中心に

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書誌事項

タイトル別名
  • A Contrasitive Analysis of Refutation Behavior between Korean and Japanese : the relation between linguistic forms and the degree of formality
  • カン ニチ リョウゲンゴ ノ ハンタイ イケン ヒョウメイ コウドウ ノ タイショウ ケンキュウ バ ノ アラタマリ ド ニ ヨル ヒョウゲン ケイシキ ノ ツカイ ワケ ヲ チュウシン ニ

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説明

本稿は、場の改まり度と上下関係を変数として捉え、韓国と日本の大学生を対象に反対意見表明という言語行動における行為指示表現と談話支持ストラテジー表現の使い分けを分析したものである。その結果、韓国人の大学生はカジュアルな場面とフォーマルな場面とで行為指示表現形式を明確に使い分けることがわかった。フォーマルな場での韓国人のスピーチ・スタイルは、文体が丁寧体になるだけでなく、行為指示表現の選択も異なるものであった。具体的な行為指示表現は、聞き手領域に踏み込まず、聞き手に働きかけない希望文、判断文、非情報提供要求文などである。談話支持ストラテジー表現に注目すると、韓国人はカジュアルな場面でもフォーマルな場面でも、より効果的に聞き手を説得するための表現を多く用いることがうかがえた。しかし、これらは先生という聞き手には、日本に類似した表現形式の使い分けが見られた。日本人の大学生に関してはカジュアルな場面とフォーマルな場面とで明瞭な使い分けが見られず、行為指示表現の選択でも談話支持ストラテジー表現の使い分けでも聞き手配慮的な言語行動が見られた。

収録刊行物

  • 阪大日本語研究

    阪大日本語研究 15 67-88, 2003-03

    大阪大学大学院文学研究科日本語学講座

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