老年看護学実習レポート分析からみえる教育的課題
抄録
【目的】老年看護学実習の履修における「老年観」について,レポート結果から高齢者を社会的弱者として捉えてしまう「認知の歪み」につながる語彙を抽出し,今後の老年看護学教育の教育的効果を図る. 【方法】分析は計量テキスト分析ソフト「KH coder」を用い,研究に同意した A 看護大学看護学生 56 名の「老年観」に関連した頻出語を抽出し,それぞれに対して頻出語上位 50 を抽出し,抽出後共起ネットワーク分析し,抽出された認知の歪みについて KWIC コンコーダンス機能を用いて分析した. 【倫理的配慮】本研究は A 大学のヒト研究審査委員会の承認を得た. 【結果】老年観を関連語とした共起ネットワークでは,高齢者に対するプラスの表現(2 語)より,マイナスの表現(6 語)が抽出された.「老年看護学実習前」に認知の歪みにつながる文脈が多く読み取れたが,二重否定に用いて「実習後」には肯定的に捉えている文脈が見られた 【考察】抽出された認知の歪みにつながる語彙を踏まえ,実習前の老年看護学概論や老年看護学援助論で「なぜそのような老年観をもつのか」と内省することで,更なる老年観の向上として教育的効果が望めると考えられる.
収録刊行物
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- 明治国際医療大学誌
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明治国際医療大学誌 (30), 30-30, 2024-03-31
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050018285204714624
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- ISSN
- 18841414
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- article
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- データソース種別
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- IRDB