保湿剤の皮膚保護作用からみた皮膚電気特性について

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  • ホシツザイ ノ ヒフ ホゴ サヨウ カラ ミタ ヒフ デンキ トクセイ ニ ツイテ
  • Study of skin protection by moisture-retaining ointments based on electrical properties of skin

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説明

【目的】皮膚疾患は新生児期から老年期までの各段階でさまざまな形で見られ、それに対し多様なスキンケアの試みが報告されている。本研究では、皮膚の保護作用の中で、特に、「保湿性」に注目し、皮膚の乾燥予防として一般に用いられている保湿剤(クリーム、ローション)の使用前後における皮膚の性状変化について頬部皮膚の電気抵抗変化を測定機器を用いて測定した。保湿剤が与える皮膚保護の面からの保湿効果を各年齢層について経時的に比較検討した。【方法】対象となる被験者は24名であり、男性12名、女性12名(男女比1:1)、平均年齢48.2±17.1歳である。一般に広く日常的に使用されている性状の異なる保湿剤としてクリーム(ビローラ社スキンクリーム)とローション(サラダタウン社アロエ化粧水)を被験者の左右の頬部にそれぞれ塗布し、塗布前、塗布した直後、30分後、60分後、3時間後において、皮膚インピーダンス値を測定した。皮膚インピーダンスについては、高感度皮膚測定機器(PAZ-TAKEDA 2002:安久工機、アスター電気社製)を使用した。【結果】クリームとローションという保湿剤の性状や効能の違い及び年齢区分によって保湿性の効果に差が認められた。【結論】若年層である年齢区分1(20代から30代)においては、水分が皮膚の表皮、真皮内にしっかり保有されている状態であり、今回の保湿剤塗布による短時間の保湿性の効果は高齢者に対して低下していた。一方、高齢者層である年齢区分3(60代以降)においては、皮膚の加齢減少から皮膚細胞内の水分含有量が低下しており、保湿剤により水分が直接皮膚により浸透し保湿性が短時間の検査では向上していると考えられた。また、今回使用したクリームとローションにおいて保湿剤の性状の違いにより保湿作用に差が認められたことは製本による違いはあると考えられるものの、今後の各年齢層に対するスキンケアへの基礎となる結果と考えられた。

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