中国における自動車燃費規制をめぐる政策ネットワーク

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  • Policy Networks in Chinese Fuel Economy Regulations

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抄録

近年,自動車環境政策の面で遅れを取っていると考えられていた中国が,2014 年に米国,欧州,日本並みに厳しい自動車燃費規制を導入した。同国では自動車保有台数が急増しているにも関わらず,パリ協定のもとで効果的な二酸化炭素(CO2)削減を約束していない。これまでの既存研究では,交通部門からのCO2 排出抑制対策として,道路インフラの整備やモーダルシフトなどの交通流対策の効果に着目したものが多く,自動車燃費規制が主要自動車生産国と同程度に収斂した理由について分析した研究は少ない。そこで,本稿は中国における自動車燃費規制をめぐる政策過程を分析するにあたり,政策ネットワーク論の分析枠組みを用いて,どのような理由で中国において日本・欧州・米国と同レベルの自動車燃費規制値が設定され,主要自動車生産国間で燃費規制値の収斂が起きたのかについて明らかにする。これにより,中国における自動車燃費規制をめぐる複雑で多面的な相互作用関係の構造と動態を明らかにし,政策ネットワークの観点から新たな視点を得ることができた。

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