リズムダンスにおける児童が工夫した動きに関する一考察-A小学校4年生を事例に-

書誌事項

タイトル別名
  • リズムダンス ニ オケル ジドウ ガ クフウ シタ ウゴキ ニ カンスル イチ コウサツ : A ショウガッコウ 4 ネンセイ オ ジレイ ニ
  • A Study on the Movements Devised by Children in Rhythm Dance: A Case Study of 4th Grade Students at Elementary School A

この論文をさがす

抄録

本研究は、小学校の表現運動におけるリズムダンスに着目した。リズムダンスの授業は、振付を与えて覚えて踊る授業が多い現状であるが、リズムに乗り躍動する身体で自ら動きを生み出していくことがリズムダンスの学びである。そのため、授業形式でリズムダンスの授業を行い、児童がどのような動きを生み出したのかを明らかにすることで、児童が何を学んだのかを明確にすることができると考え本研究に着手した。さらに、指導者にとっても具体的な動きを想像しやすく、指導する際に動きを広げる手がかりとなる。対象者は、A小学校4年1組の児童26名であり、45分間の授業形式で実践を行った。授業内容は「ロックのリズムに全身で乗って、動きを工夫して踊ろう」というめあてのもと、授業者の真似から入り、児童主体で即興的に動く活動に移行する内容であった。授業後にアンケート調査を実施し、児童がどのように動きを工夫したかの回答を得た。また、撮影した映像から動作分析し、評価観点のもと動きの工夫をしている児童を5 名抽出し、詳細に分析した。「ダンスバトルでどのように動きを工夫したか」に対する児童のアンケート調査の回答をKJ法により分類した結果、「回転」「全身を使った動き」「足」「手」「大きく動かす」「リズム」「他者との関わり」「気持ち」「イメージ」「組み合わせ」の10個のカテゴリーが抽出できた。ここから、回転する動きをすることでリズムや身体のくずしができ動きに変化がつくこと、全身や大きく動くことを意識していたこと、他者を意識することで動きに変化が付くことなどを学んでいることがわかった。また、抽出した児童はアンケートの回答に動きの強弱やメリハリのあるような記述があり、即興で動きを創出したからこそ気づいたことがより明確になり学びを深くしていることが明らかとなった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ