釜山日本村における実践研究 : 幼児クラスの具体的活動を通して

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タイトル別名
  • フザン ニホンムラ ニ オケル ジッセン ケンキュウ : ヨウジ クラス ノ グタイテキ カツドウ オ トオシテ
  • Practical Research in Busan-Japan Village : Through Concrete Activities in the Kindergarten Class

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抄録

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日系子女に日本語や日本文化を伝えていく趣旨で2011年に釜山外国語大学の関係者が立ち上げた釜山日本村という団体がある。この団体は、2023年現在、幼稚部と小学部から構成されており、保護者が自主的に運営している。筆者は新聞記事でその存在を知り、幼稚部の具体的な実践活動を調査すべく、2023年5月から7月の月に1度、計3回にわたり現地を訪れた。小論の目的は、幼稚園教諭としての実務経験を活かし、実際に子どもたちの前で日本語に関わる活動内容を明確にし、現状課題とその展望について考察することである。研究教材として毎回の活動で絵本や紙芝居を読むことや、パネルシアターの実演をすることは、目の前にいる子どもたちと日本語で対話しながら進めていくことができ、大変有効であった。また日本語をしっかりと声に出すことに重きをおき、全員の子ども達が参加できるように配慮した。特に日本独自の児童文化財である紙芝居は、絵が大きく、見やすく構成されている為、集団で楽しむことができ、同じ内容を共有することで仲間意識が芽生え、子どもたち同士のつながりに拍車をかける効果的な教材であることがわかった。 発達年齢に沿う内容を考慮し準備を進めているが、実際のところ、個々の日本語への理解度や習熟度の状態がまだ把握できていないのが現状であり、これからの課題でもある。普段の子どもたちは保育園や幼稚園、小学校で韓国語を使用し、家庭では日本語のみ、または両方の言語を使用している。その為、日本語によるコミュニケーションで保護者と子どもの心をつなぐという、このような活動環境はとても重要であり、それが釜山日本村の役割であると考える。

収録刊行物

  • 純真紀要

    純真紀要 (64), 001-014, 2024-03-12

    純真短期大学

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