食の安全性と農業政策の転換 ―BSE 対策再考―
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- 並松信久
- 北陸大学経済経営学部
書誌事項
- タイトル別名
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- Food Safety and Changes in Agricultural Policy ―Reconsidering Countermeasures for BSE Issues―
抄録
わが国では2000 年代になって、BSE 問題が起こった。それをきっかけに食品衛生から食品 安全が注目されるようになった。BSE ないし食の安全性の問題については、多くの先行研究が ある。しかし、これらの問題を農業政策の展開と関連付けた研究は少ない。 本稿は、主にBSE 問題の対策として設置された政府の各委員会の報告書をたどり、BSE の発 生後、「政府や企業の対応」、「リスク管理をめぐる議論」などの分析を通して、それまでの農業 政策が大きく転換したことを明らかにした。 その転換とは、生産重視の政策から、消費者重視の政策への移行であった。しかし、その過程 で、BSE への政策対応が拙速であったために、企業による表示偽装問題を引き起こした。さら に検査体制やリスク評価、リスクコミュニケーションのあり方、そして政治と科学の関係など、 多くの課題が生じ、今なお議論が続いている。
収録刊行物
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- 北陸大学紀要
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北陸大学紀要 (56), 39-66, 2024-03-29
北陸大学
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050018506568409472
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- ISSN
- 21863989
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB