1920年代朝鮮の教育をめぐるナショナリズムと民主主義の関係 --申興雨The Rebirth of Korea(1920)とJ. E. Fisher, Democracy and Mission Education in Korea(1928)の比較を中心に--

HANDLE Web Site オープンアクセス
  • 北澤, 愛
    教育哲学・教育史学コース博士後期課程2回生

書誌事項

タイトル別名
  • The Relation between Nationalism and Democracy Concerning Education in Korea in the 1920's: With Focus on Comparing Cynn, Hugh Hueng-wo's The Rebirth of Korea (1920) and J. E. Fisher's Democracy and Mission Education in Korea (1928)
  • 1920ネンダイ チョウセン ノ キョウイク オ メグル ナショナリズム ト ミンシュ シュギ ノ カンケイ : シンコウウ The Rebirth of Korea (1920)ト J. E. Fisher, Democracy and Mission Education in Korea (1928)ノ ヒカク オ チュウシン ニ

この論文をさがす

抄録

本論文では、申興雨のThe Rebirth of Korea とJ. E. フィッシャーのDemocracy and MissionEducation in Korea を比較し、両者の主張する民主主義と朝鮮ナショナリズム、そしてキリスト教の関係について考察した。申興雨は同書のなかで、三一独立運動以後の朝鮮における教育を通した民主主義の実現および朝鮮ナショナリズムの勝利を目指すことを主張した。他方、フィッシャーは総督府の教育政策を批判しながらも、同時にミッション教育の非民主的な面を批判、政治的な目的や宗教的な目的に左右されない「児童中心主義」「朝鮮人中心主義」の重要性を主張した。申とフィッシャーの主張は政治的独立をペンディングするものではあったが、申が家父長制的家族の変革を民主主義の課題の一部とみなしていた点や、フィッシャーが社会主義などについて自由な議論を求めた点に着目するならば、民主主義を担いうる主体性の獲得を目指した彼らの主張は政治的独立には還元できない問題の広がりを見据えていたと評価できる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ