受験競争をめぐる研究の系譜・死角・展望 --戦後日本の教育社会学史を読みなおす--

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書誌事項

タイトル別名
  • A Historical Review of Research on Educational Competition for Entrance Examinations in Japan
  • ジュケン キョウソウ オ メグル ケンキュウ ノ ケイフ ・ シカク ・ テンボウ : センゴ ニホン ノ キョウイク シャカイガクシ オ ヨミナオス

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抄録

本論文の目的は,教育社会学における受験競争に関する研究の系譜を跡づけ,残された課題を示し,現代における受験研究の新たな可能性を展望することである.戦後日本において,学歴主義や学校問題をめぐる議論が立ち上がるなかで,学歴主義が受験競争を引き起こし,受験競争が教育荒廃を生じさせる,という認識が社会的にも学術的にも支配的になった.この「学歴主義→受験競争→教育荒廃」という問題図式が受験競争の問題性を自明化したことで,かえって受験競争を直接的に扱う研究は乏しくなった.他方で,そうした図式から距離を取り,受験競争という社会現象それ自体を研究することを試みた研究者に,受験体制論を提示した山村賢明と,受験の社会史的研究を行った竹内洋がいた.本論文ではそうした試みを継承して現代において受験現象を論じるにあたって,教育産業の台頭による受験の市場化に着目することを提案した.

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