妊娠期からの切れ目ない支援を目指したA総合病院小児科の育児支援の現状と課題

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タイトル別名
  • Current Status and Challenges of Childcare Support by the Department of Pediatrics at A General Hospital for Seamless Support Starting from Pregnancy
  • ニンシンキ カラ ノ キレメ ナイ シエン オ メザシタ A ソウゴウ ビョウイン ショウニカ ノ イクジ シエン ノ ゲンジョウ ト カダイ

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抄録

本研究の目的はハイリスクカンファレンスを起点とした、A総合病院小児科での育児支援の現状を踏まえ、小児科で実施する育児支援の課題を明らかにし、総合病院の小児科で実施する妊娠期からの継続した育児支援の方向性の検討をすることである。  育児支援を受けた母親5名を対象に質問紙調査を行い、その結果を小児科スタッフと共有、感想を出し合った。さらに小児科スタッフの認識する課題を把握するために小児科スタッフとの育児支援に関しての意見交換を行なった。データは、意味を損ねないように要約し、趣旨が類似するものを集めてサブカテゴリ、さらに類似したサブカテゴリを集めてカテゴリを生成し、小児科の育児支援の課題を明らかにした。  育児支援に対する母親の評価から小児科スタッフが感じたことは、【小児科の育児支援が母親に受け入れられ、プラスに評価されていることを実感する】等3つ、小児科スタッフの認識する育児支援の現状は【妊娠中のハイリスクカンファレンスから1か月健診までの継続した小児科の関わりがある】等4つ、課題は、【外来で関わる際に、育児支援に関する記録は多いが、系統的に分類されていないため情報収集に時間がかかる】【個々の育児支援終了が個人の感覚に委ねられている】等9つ、理想の育児支援は【病院での支援だけではなく、地域とのつながりを考える】等6つのカテゴリが生成された。これらの結果から、育児支援の介入の記録が系統的に分類されていないため、小児科で実施する育児支援の課題は、育児支援として可視化出来ない・育児支援終了の目安が曖昧である・1か月健診以降の育児支援が難しい、の3つが明らかになった。  以上より、総合病院小児科で実施する育児支援の方向性は、妊娠期からの継続した支援を通して、育児支援の内容や実績などの情報を集約し、生活の拠点となる地域で暮らす家族が適切なサポートを受けながら育児ができるように支えることである。

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