自閉スペクトラム症の感覚処理特性とこだわりの長期的予後に 関する一考察:半構造化面接を通じて

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  • ジヘイ スペクトラムショウ ノ カンカク ショリ トクセイ ト コダワリ ノ チョウキテキ ヨゴ ニ カンスル イチコウサツ : ハンコウゾウカ メンセツ オ ツウジテ

Abstract

本研究では幼児期に非常に強い感覚異常とこだわりがあった自閉スペクトラム症の事例について,現在成人期の本人とともに幼児期から現在までを回顧的に振り返り,感覚処理特性の変遷や長期的予後を検討することを目的とした。対象は26 歳の自閉スペクトラム症(ASDASD)の男性で,過去から現在までの感覚処理特性とこだわりの変遷について,半構造化面接を通して回顧記録を収集した。結果,年齢とともに感覚異常やこだわりが落ち着いたと見える事例でも,それらが完全に消失しているわけではなく,様々な対処行動を学習することで対応していることが示唆された。ASD の中核症状としてのこだわりや感覚異常についての有効なアプローチは未だ確立していないが,幼児期から環境調整や対処行動について学び,バリエーションを増やしていくことの重要性が示された。

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