小児吃音に対するリッカムプログラム導入前に環境調整法を行うことが訓練効果に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effects of Preintervention Environmental Modification on Training in the Lidcombe Program
  • ショウニ キツオン ニ タイスル リッカムプログラム ドウニュウ マエ ニ カンキョウ チョウセイホウ オ オコナウ コト ガ クンレン コウカ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

《目的》リッカムプログラム(Lidcombe Program、以下LP)は小児吃音への介入方法として有効性が示されているが、本邦では導入の待機児が多い。一方、環境調整法は保護者に求められる手技にLPとの共通点が多い。そのため、LPの導入待機中に環境調整法を行うと、保護者はLPに必要な技術を一部習得した状態でLPを開始できる可能性がある。そこで、本研究ではLPの導入待機期間中に経過観察ではなく環境調整法が行われた場合のLPへの影響について検討することを目的とした。 《方法》対象期間内にLP指導を受けた吃音児のカルテを後方視的に分析した。LP導入前に環境調整法の介入がある症例をⅠ群、Ⅰ群以外の症例をⅡ群としLP導入後の吃音症状の経過を調査した。また両群から1名ずつ基礎情報が類似した症例を抽出し比較した。 《結果》Ⅰ群に該当したのは3例であり、LP導入後に吃症状は一時的に悪化した症例もあるが改善傾向が認められた。一方、Ⅱ群に該当した3例では改善傾向は認められなかった。 《結論》LP導入前に環境調整法を行うと保護者はLPに必要な手技の一部をLP導入前に習得しており、LP導入後の訓練に好影響を与える可能性が高いと考えられた。

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