神護寺蔵『源頼朝像』『平重盛像』『藤原光能像』の損傷の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Examination of damage to “Minamoto no Yoritomo”, “Taira no Shigemori”, and “Fujiwara no Mitsuyosi” in the Jingoji collection

この論文をさがす

抄録

神護寺には源頼朝(1147~99)・平重盛(1138~79)・藤原光能(1132~83)の肖像画が国宝に指定されている。近年、足利直義(1306~52)が寺へ寄進した古文書から、直義と兄の尊氏(1305~58)、と尊氏の子供の義詮(1330~67)の肖像画とする説が出された。本稿で頼朝は頼朝像、重盛は直義像、光能は尊氏像とする説を提示した。その理由は、頼朝像はほとんど破損がない。重盛像は軸から剥がされて折り畳まれた跡がある。光能像は腹の部分に大きな破損がある。この破損状態から、尊氏と直義とが敵対する観応の擾乱の時に、直義が神護寺に依頼して、尊氏像を用いて呪詛を行わせた破損と想定した。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ