瀬戸内海・周防灘の生物文化多様性―「奇跡の海」の存続へ向けて―
書誌事項
- タイトル別名
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- Biocultural Diversity of Suōnada in the Seto Inland Sea: Toward the Survival of the‘Sea of Miracles’
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説明
瀬戸内海は、東アジアで最大の内海である。非常に豊かな生物多様性と、それに支えられた漁業の栄える、美しい自然がそこにはあった。その生物と伝統文化の豊かさは、戦後の高度経済成長の中で急速に失われた。生物学者の調査によれば、瀬戸内海の中で、奇跡的に多数の生物種が絶滅を免れて生き残っているのが、西の端の周防灘なのである。その周防灘に1982年から建設が計画されている、中国電力の上関原子力発電所計画は、現在までかろうじてのこされてきた生物多様性をおおきく損ねるおそれがある。この論文では、山口県知事による、「生物多様性を有する地域であるから科学的な環境影響調査を」という意見が、どのように作成されたかを明らかにする。さらに、祝島の神舞や、神社用地の原発への売却などの事例を通して、地域の独自の文化の多様性が、原発計画を押し止めるためにどのような役割を果たしてきたかを示して、原発にたよらない地域の未来を展望する。
収録刊行物
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- 山口県立大学学術情報
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山口県立大学学術情報 17 633-650, 2024-03-31
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050018904724533632
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- ISSN
- 21894825
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB