GC/MS自動同定定量システム(AIQS)による県内河川水中の化学物質のスクリーニング分析

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災害等緊急時においては,多くの化学物質が環境中へ流出するおそれがあり,こうした場合に多種類の化学物質を迅速に測定する(スクリーニング分析)手法の一つとして自動同定定量システム(AIQS)が開発されている。今回,緊急時の比較材料となる平時における化学物質の濃度レベルを把握するために,このAIQSを活用し,愛知県内の主要な河川において,GC/MSによるスクリーニング分析を実施した。その結果,95物質の化学物質が検出され,地点によってその種類,濃度レベルは大きく異なっていた。また,農薬類,アルカン類については,2,3月に比べて5,6月の方が検出された物質の数・検出濃度ともに高い傾向があり,農薬類については,河川によって検出される種類が異なっていた。一方,フタル酸ジエチルヘキシルやカフェインについては,5,6月に比べて2,3月の方が高濃度であった。時期によって検出される物質やその濃度が大きく変動しており,平時の化学物質の濃度レベルを把握するためには少なくとも季節変動を確認する必要があると考えられる。AIQSにより,多種多様な化学物質の地点間や時期的な濃度レベルの変動を迅速かつ簡便に確認することができ,緊急時だけでなく通常の化学物質のモニタリングへの活用も期待される。

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