源氏物語の密通と罪

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  • ゲンジ モノガタリ ノ ミッツウ ト ツミ
  • Ilicit intercouse and crime in The Taile of Genji

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源氏と藤壼との密通の物語は、源氏物語第一部全体にかかわる重要なものである。源氏や藤壺は、この密通の罪を深く恐れ続け、それは、「恐ろし」「そら恐ろし」「おほけなし」等の語によって表現されているという読み方がある。しかし、それぞれの語によって表現されている場合を検討してみると、そのような読み方はできない。后と密通し、それが露顕した場合、男も女も罪せられた事例はある。源氏と藤壺は、露顕することを恐れたが露顕しなかった。源氏が密通の罪を思うのは、第二部において、柏木と女三宮の密通を知った時で、それ以前にもそれ以後にもない。源氏物語においては、密通における罪の意識を追求する道をとってはいない。

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