黒毛和種における過剰排卵誘起処理の簡易化

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  • クロゲワシュ ニ オケル カジョウ ハイラン ユウキ ショリ ノ カンイカ

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過剰排卵誘起処理(SOV)簡易化のためFSH徐放製剤に水酸化アルミニウムゲル(AHゲル)を用いた採卵成績の検討を行った。一般的なFSH-R 20AU漸減投与(n=l5)と、AH-ゲルをFSH徐放製剤として利用したFSH-R 30AU 1回投与(n=15)の採卵成績を比較したところ、回収卵数、正常胚数、正常胚率、凍結可能胚数、変性・未受精卵数のすべての項目で有意な差は認められなかった。しかし当場の常法であるFSH低単位(13AU)投与法に比べるとFSH投与量が多いことから、FSHを減量したFSH-R 20AU 1回投与(n=l4)、FSH-R 20AU 1回投与に3日目amにFSH-R 2AUの投与を追加した22AU 2回投与(n=15)、比較のためFSH-R 30AU 1回投与に3日目amにFSH-R 2AUの投与を追加した32AU 2回投与(n=13)の採卵成績を検討したところ、22AU 2回区で正常胚数8.7個、凍結可能胚数8.3個と20AU 1回区、32AU 2回区より有意に高い成績が得られた。さらに当場定法のFSH-S 13AU漸減投与(n=119)とFSH-R 30AU 1回投与(n=115)、FSH-R 22AU 2回(n=107)を比較したところ、採卵成績は、回収卵数、正常胚数、正常胚率、凍結可能胚数、変性・未受精卵数のすべての項目で有意差は認められなかった。しかし、過剰排卵無効頭数の割合は22AU 2回投与が最も少ないことからFSH-R 20AU 1回投与に3日目amにFSH-R 2AUの投与を追加した22AU 2回投与がSOV処理の簡易化に適している。

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