競合価値アプローチによる環境経営導入の解釈 : ブラジルの公企業サベスプ社の事例より

書誌事項

タイトル別名
  • キョウゴウ カチ アプローチ ニ ヨル カンキョウ ケイエイ ドウニュウ ノ カイシャク ブラジル ノ コウキギョウ サベスプシャ ノ ジレイ ヨリ
  • An Interpretation of the Introduction of Environmental Management in the Competing Values Approach : A Case Study of the Brazilian Public Enterprise Sabesp

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説明

本稿は、Quinn=Rohrbaugh(1983)の競合価値アプローチによる環境経営導入を解釈するものである。このアプローチによると,組織の有効性という構成概念には,互いに競合する多数の価値が含まれる。これら競合価値は,人間関係モデル,オープン・システム・モデル,合理目的モデル,内部プロセスモデルである。事例として取り上げられているサベスプ社は,公的部門SVMAとの相互作用をきっかけに,自らの組織変革に成功している。本稿を通じ,サベスプ社における組織変革の事例の競合価値アプローチによる解釈を試みた。公的企業では営利目標の追求と同時に,公共事業に投資された資金の効果的な使い道に関する説明が求められるため同社は,複雑でかつ多岐的な分野に広がる同社の業務内容において競合する諸価値を両立させなければならない立場にある。環境経営の導入によって,(1)オープン・システム的価値と合理目的価値間の競合関係,(2)オープン・システム・モデルと内部プロセス的価値間の競合関係,(3)オープン・システム的価値と人間関係的価値の補完的関係が結果として得られた。環境経営の導入は,オープン・システム・モデル的価値に有利に働くらしい。環境経営が導入された場合,オープン・システム・モデルの目的は、組織活動の持続可能な維持という側面が表れる。また,持続可能な組織活動の実現に向けて,継続的で創造的な人間関係モデルが焦点となる。

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