頭頸部癌に対する放射線治療で使用したマウスピースの形態の違いによる固定精度の評価
書誌事項
- タイトル別名
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- Study of immobilization accuracy with different mouthpiece shapes in radiation therapy for head and neck cancer
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説明
【緒言】頭頸部癌に対する放射線治療の際に,放射線治療時の位置誤差を減少させる目的でマウスピースやステントなどの口腔内装置を使用することがある.過去のマウスピースを用いた固定精度の報告で,使用されるマウスピースの形態の違いによる固定精度を議論した報告はないため,この観点から後向きに評価を行った. 【対象と方法】2017年10月から2023年6月までに日鋼記念病院放射線科で頭頸部癌に対して放射線治療を施行した17例を対象とした.全顎型マウスピース使用症例群と前歯部型マウスピース使用症例群で熱可塑性マスクとヘッドレストの装着時,放射線治療開始前のsystematic errorとrandom error,set up margin を比較した.測定項目は,anterior-posterior (AP),superior-inferior (SI),left-right (LR),yaw,roll,pitchとした.Set up marginは,算出したsystematic errorとrandom errorからvan Herkのマージン式を用いて算出した.また統計的検定としてマンホイットニーのU検定を行った. 【結果】Random errorは治療開始前のyawとpitch以外で全顎型マウスピース使用症例群の方が前歯部型マウスピース使用症例群よりも誤差が小さい傾向がみられた.Set up marginを算出した結果では,熱可塑性マスクとヘッドレストを装着したときのSIは,全顎型マウスピース使用症例群の方が前歯部型マウスピース使用症例群より0.91mm小さく,治療開始前のAPも,全顎型マウスピース使用症例群の方が前歯部型マウスピース使用症例群より0.61mm小さかった.マンホイットニーのU検定を行った結果,測定2回目のLRとyawで有意差がみられた. 【結語】2種類の形態の異なるマウスピースを使用した症例群で固定精度の評価を行い,全顎型マウスピースは誤差の減少が期待でき有用と考えられた.
収録刊行物
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- 北海道歯学雑誌
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北海道歯学雑誌 45 22-30, 2024-09-15
北海道歯学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050020288618559360
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- NII書誌ID
- AN00229778
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- HANDLE
- 2115/93110
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- ISSN
- 09147063
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- IRDB