集中力を向上させるための行動伝染現象を利用した欠伸誘発システム
説明
個人で作業する場面において,集中力の向上は重要である.特に酸素吸入は集中力の向上に有用であると言われており,酸素を体内に取り込むことで,脳は活性化しリラックス効果がもたらされ,集中力が向上する.酸素を体内に取り込む手法として欠伸に着目した.欠伸を行うことで口を大きく開き酸素を体内に取り込める.そこで本研究では,個人での作業時における集中力の向上を目的とし,欠伸の誘発により集中力を向上させるシステムを提案した.欠伸を誘発させる手法として行動伝染を用いた.我々は周りの人の欠伸の様子や声を見聞きすることで欠伸が誘発される.そこで,欠伸の誘発に最も適した刺激を推定する予備調査を行った.調査結果より,欠伸の様子を提示する映像刺激と欠伸の音声を提示する音声刺激の2種を組み合わせた刺激が欠伸の誘発に最も適した刺激であると結論付けた.結果から,ARグラスのディスプレイ上に欠伸をしている映像を提示し,内蔵スピーカから音声を提示することで欠伸を誘発するシステムを構築した.提案システムは,一定の時間間隔で映像刺激と音声刺激をシステム使用者に与えることで欠伸を誘発し,集中力を向上させる.評価実験の結果において,提案システムは欠伸の誘発に有用であると結論付けられ,加えて元々十分な覚醒度を維持している場合には集中力の向上に有用であると示唆された.
収録刊行物
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- マルチメディア,分散,協調とモバイルシンポジウム2024論文集
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マルチメディア,分散,協調とモバイルシンポジウム2024論文集 2024 475-482, 2024-06-19
情報処理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050020444520912384
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- conference paper
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- データソース種別
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- IRDB