看護管理者の職業的アイデンティティ確立プロセス

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タイトル別名
  • カンゴ カンリシャ ノ ショクギョウテキ アイデンティティ カクリツ プロセス
  • Professional Identity Establishment Process of the Nurse Manager

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説明

看護管理者(看護師長)の職業的アイデンティティ確立プロセスを明らかにするため,A県内の病院の看護師長11名を対象に,インタビューを行い,舟島の「看護概念創出法」に沿って分析した.結果,職業的アイデンティティを確立する12の概念が創出され,アイデンティティ確立プロセスを明らかにすることができた. 看護管理者の職業的アイデンティティ確立プロセスは以下のとおりである. 昇任の辞令を突然受けた者は,【役割移行への戸惑いによる受諾前の葛藤】を経験しながらも受諾し,当初は【師長イメージと現実との違いを経験することによる予想外の孤独と役割変化への戸惑いや実践から離れる一抹のさみしさ】を感じていた.その後,1年の間に【前任者の管理方法の回想からの学びや師長イメージと実際の差異を発見することによる師長役割の理解】をし,【クレーム対応を経験することによる最終責任者としての自覚の萌芽】や,【他者からのアドバイスやサポートを受けることによる師長役割を果たす行動】【看護管理者研修からの学びによる師長役割の再認識】【自己の看護観に基づいたケアが実践できるスタッフを育成することによる師長としてのやりがいと役割実践】【時代の要請による業務変化に対応することで新たな役割への気づき】【自己の看護観を基盤に管理する上での失敗や成功を内省し続けることによる自己成長】を経験していた.その後,1~2年間に,【スタッフとの信頼関係を構築し,やりたい看護,作りたい病棟づくりができたことによるやりがいの感受】や【日々の積み重ねによる自信と他者からの承認による役割取得の実感】を経験し,職業的アイデンティティを確立していた.

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