アンケート調査実施群と非実施群の肺がん検診受診率の推計値の検討

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タイトル別名
  • アンケート チョウサ ジッシグン ト ヒジッシグン ノ ハイ ガン ケンシン ジュシンリツ ノ スイケイチ ノ ケントウ
  • 肺がん検診受診率の推計値の検討
  • Evaluation of estimation of lung cancer screening rate in questionnaire group and non-selected group

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説明

本研究は,がん検診が始まる前に行われたアンケート調査が受診率に与える影響を検討することと,はがき調査回答者の受診状況のデータを基に,母集団の受診率を推計するときの問題点を検討することを目的とした.われわれが行った先行研究の,A市の肺がん検診対象者(地域検診と任意型・職域検診)の40歳から59歳までの19006人を対象とし2000人を無作為抽出(アンケート群)し,アンケート調査およびはがき調査を行った結果を解析した.アンケート群と非抽出群における実際の肺がん地域検診受診率の差を検討した.さらに,受診後に行われたはがき調査から任意型・職域検診の受診率の推定を行った.地域検診受診率は,アンケート群では14.5%で非抽出群の6.7%と比較して有意に高かった(p<0.01).任意型・職域検診受診率は,はがき調査から推定でき,アンケート群で9.0%となり,非抽出群の4.2%と比較して有意に高かった(p<0.01).はがき調査による地域検診受診者数は60人で,A市による調査実数61人とほぼ一致した.その時の受診率は54.1%で,実際の受診率と比較して約4倍となった.アンケート群の受診率が非抽出群の受診率よりも有意に高くなったことは,アンケートを行ったこと自体が受診率に影響をもたらしたと考えられた.またアンケートに回答する人は,受診者に多くみられたことから,アンケートによる受診率の推計は回収率に影響された.アンケート結果の解析方法によっては,任意型・職域検診受診率を推計できた.

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