中学生における体調不良自覚時の対処行動の傾向

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タイトル別名
  • チュウガクセイ ニ オケル タイチョウ フリョウ ジカクジ ノ タイショ コウドウ ノ ケイコウ
  • Coping mechanisms of Junior high school students who feel unwell

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説明

本研究は,子どもに対する健康教育の具体的方策の検討に係る基礎的資料として,中学生の体調不良自覚の実態を調査するとともに,自覚症状に対する対処行動の傾向を明らかにすることを目的とし,以下の方法で分析を行った. 2003年に中学生814名を対象として,睡眠や食事に関する生活習慣及び,体調不良の自覚とその際の対処行動に関する,独自の質問紙調査を実施し,記述統計及び項目間の有意差の検定を行った. 814名中,808名から有効回答が得られた.回答者の約3~4割が「腹痛」「頭痛」「倦怠感」を日常よく経験しており,対処行動には,学年,性別,体調不良自覚の頻度,生活習慣の違いによる選択率の有意差が生じていた. 体調不良の症状を自覚した際,中学生では学年が進むとともに他者依存から離れ,自己の判断により,よいと思う方法を選択する傾向に変化していた.中学生の時期には,自分の対処行動に伴う結果が適切な対処行動の選択に影響するとともに,学校や家庭での健康教育を含めたその他の要因が対処行動に関する知識の習得に影響していると考えられる.また,対処行動の選択には男女差が顕著な項目があり,男子は自己判断で対処する傾向があり,女子では他者に伝える傾向と,対処行動として合理的で確実な方法を選択する傾向があった. 以上の結果と考察から,発育段階,性差,生活の背景などを視野に入れた包括的,個別的な健康教育や保健指導の必要性が示唆された.

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