初任者教員のメンタルヘルス不調を察知し、支援する教育行政の取組に関する一考察

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説明

昨今、精神疾患による病気休職者数が過去最多を記録し、教員不足が深刻な課題となっている。学校現場では、初任者教員が悩みを打ち明けにくい状況が散見される。本研究では、学校の外側から注視する教育委員会指導主事による初任者教員のメンタルヘルス不調の早期発見・早期対応の取組に注目した。調査の結果、不調には「個人的要因」と「環境要因」があり、それらが複合的に関連していることが明らかになった。また、指導主事は「初任者研修」、「学校訪問」、「教育行政としての教員支援施策」を通じて直接的・間接的支援を講じており、個人及び組織としての対応の工夫が見られた。不調に結び付くリアリティショックを軽減するためには、入職前に教職経験を積める新しい教員養成課程の編成、初任者教員を複数で支援する援助チームの構築、管理職やメンターへの研修の充実等を図ることで、メンタルヘルス不調の未然防止・早期発見に寄与するものと考える。

収録刊行物

  • 創大教育研究

    創大教育研究 (34), 15-33, 2025-02-28

    創価大学教育学部編集委員会

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