電子レンジの調理科学的研究 : 電子レンジ加熱の基礎的研究

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  • デンシ レンジ ノ チョウリ カガクテキ ケンキュウ デンシ レンジ カネツ ノ キソテキ ケンキュウ
  • Studies on Cookery by Electoronic Range Basic Studies on Thermal Effects of Irradiation

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電子レンジによる加熱は, 2450Mcの高周波の照射による試料の発熱であるため, 従来の加熱方法とは異なり温度上昇の仕方にもそれぞれ特徴を持っていると考えられる。そこで電子レンジ加熱の基礎的な研究として次の溶液の温度上昇の実験を行なった。 / I)水より温度上昇の早いものは, アルコール類, 庶糖ブドウ糖, クエン酸などの水溶液であり, これらの濃度は高くなる程, 温度の上昇を促進する。食塩, 塩化カリ, 塩化マグネシウム, 酢酸の各水溶液などは, 水より温度上昇がおそく, その濃度が高くなる程, 温度上昇はおくれることがみとめられた。無極性物質として四塩化炭素, ベンゼンを行なったところ極端に温度上昇がおそかった。 / II)試料の各水溶液の加熱開始温度が高温である程, 上昇温度は低かった。 / III)水と油の温度上昇曲線はかなり態度が異なる。加熱時の容量を100gから500gまで変えて加熱すると, 水の場合は容量の増すに従って温度上昇に時間がかかって来る。他方, 油は100gから500gと量を変えても温度上昇はあまり変らない 。 / IV)各試料がマイクロ波照射により湿度上昇する際の容器内の液温度について, 表層部, 中心部の底部に分けて測定してゆくと, 表層部が最も温度が高く, ついで中心部, 底部である。油は電波の透過がよいため, 中心部までよく温度の上昇がみられるが, 牛乳, 卵白20%溶液は, 中心部と底部の温度上昇が共に低い。 / V)加熱後の容器内液温の動きを調べたところ, 各種溶液共, 加熱終了後から表層部は温度が下りはじめるが, 中心部, 底部の温度は加熱直後から5分後でも殆んど変らない。加熱終了後のくり越し加熱はみられず, 容器内は温度差のあるままで攪拌でもしなければ均等な温度にはなりにくいようであった。

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