報酬としての株式の無償交付の会計 : 譲渡制限付株式報酬を中心に

書誌事項

タイトル別名
  • ホウシュウ トシテノ カブシキ ノ ムショウ コウフ ノ カイケイ : ジョウト セイゲンツキ カブシキ ホウシュウ オ チュウシン ニ
  • Hōshū toshiteno kabushiki no mushō kōfu no kaikei : jōto seigentsuki kabushiki hōshū o chūshin ni
  • Accounting for restricted stock compensation plans

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説明

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本稿では,株式報酬のうち,株式の無償交付をとりあげる。株式報酬の会計では,ストック・オプションと株式の無償交付とを,持分決済型として同種のものとしてとらえており,両者の会計処理が整合的であるように規定されている。本稿では,ストック・オプションとの違いに注意しながら,報酬としての株式の無償交付について,譲渡制限の解除に注目しつつ,権利確定が明らかになる前に交付する事前交付型と,明らかになった後に交付する事後交付型とに分けたうえで,特に前者の事前交付型について,払込資本の増加のタイミングについて考察する。日本基準・米国基準・国際財務報告基準(IFRS)は,この点については共通しているが,資本制度の違いからか,米国基準・IFRSに関する標準的なテキストでは別の考え方も紹介されている。また,新株発行と自己株式の処分の違いや,権利確定されない場合の没収について議論する。 なお,日本の会社法では労務出資が認められないため,報酬としての株式の無償交付が会社法で認められる前は,未払報酬債務の決済のために,取締役等が報酬債権を払い込む形式での現物出資により,相殺型のスキームが実務では設計されていた。このスキームは現在も見受けられる。会計基準上,現物出資のスキームについては規定されていないが,最低限言及する。

友岡賛教授退任記念号 論文

収録刊行物

  • 三田商学研究

    三田商学研究 67 (5), 223-235, 2024-12

    慶應義塾大学出版会

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