洛和会音羽病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科における耳下腺腫瘍に対する取り組み

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type:Article

頭頸部腫瘍は口腔癌、咽頭癌、喉頭癌等の悪性腫瘍だけでなく、甲状腺腫瘍、唾液腺腫瘍などが含まれる。これまで頭頸部腫瘍のなかで、特に耳下腺腫瘍の臨床および基礎研究を精力的に行ってきた。前任地の大阪医科薬科大 学耳鼻咽喉科・頭頸部外科で過去約25年間に良性耳下腺腫瘍1,303例、耳下腺癌274例の症例を経験した。耳下腺腫瘍の病理組織型は多彩であり、悪性で21、良性で11種類の組織型に分類されている。症状は腫瘤を自覚するだけのことが多いが、悪性腫瘍では、自発痛/圧痛、周囲組織との癒着、顔面神経麻痺を伴うことがあり悪性三徴候と呼ばれている。術前における病理組織の診断法は穿刺吸引細胞診であり、侵襲が極めて低く外来で簡単に実施できる検査である。治療は、良性、悪性ともに手術治療が第一選択である。術後合併症で最も問題となるのは顔面神経麻痺であり、良性腫瘍術後の約15から20%にみられたがいずれも一時麻痺であった。本院では本年4月からの8カ月間に29症例の耳下腺腫瘍手術を実施した。

identifier:洛和会病院医学雑誌(1341-1845)36巻 Page16-20(2025.03)

identifier:1341-1845

identifier:http://kintore.hosplib.info/dspace/handle/11665/3082

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