本邦の高齢患者に対する胃瘻造設研究の動向に関する考察

書誌事項

タイトル別名
  • ホンポウ ノ コウレイ カンジャ ニ タイスル イロウゾウセツケンキュウ ノ ドウコウ ニ カンスル コウサツ
  • Historical developments in research on percutaneous endoscopic gastrostomy for elderly patients in Japan
  • Nakamura, Kyoko

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抄録

本稿では,高齢患者に対する胃瘻造設研究の動向や今後の課題を明らかにするために文献レビューを行った.研究対象としたのは,1983年から2012年の間に医学中央雑誌(医中誌)WEB Ver.5に発表された論文のうち「胃瘻造設術」「高齢者」等のキーワードで検索された899件の論文である.分析の結果,高齢患者の胃瘻造設に関する研究論文は1995~2012年の間に13倍以上に増加していることがわかった.また,テーマ別に見てみると,当初は「有用性」や「方法」に関する論文が多く見られたが,2005年以降になると「倫理」や「生活の質(QOL)」,「認知症」に関する論文が急速に増えていた.また,「QOL」や「認知症」に関しては,単にその数が増えているだけではなく,時代とともにその内容にも変化が生じていることがわかった.以上の結果から,本邦の高齢患者に対する胃瘻造設研究に関しては,高齢患者の生活や価値観等を尊重しながら胃瘻造設が行えるように個々の患者の選択を支援するような研究が重要な時代に入ったものと考えられる.

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