記憶の継承(1)──「『仕方がない』では済まない」という言葉が問いかけること──

書誌事項

タイトル別名
  • The Succeeding of the Memory (1)—The Study of the Aftermath of a Word of “THE PAST CAN’T BE ACCUSED in the War”—
  • 記憶の継承(1)「『仕方がない』では済まない」という言葉が問いかけること
  • キオク ノ ケイショウ(1)「 『 シカタ ガ ナイ 』 デワ スマナイ 」 ト イウ コトバ ガ トイカケル コト

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説明

本論文では、「問い」とは何かを問うことで出合った満洲開拓についての史実を扱ってきた。そこで筆者であるわたしたちが何よりも心がけたのが、歴史への真摯さ、である。記憶を後世へ伝えていくためには記録しなければならない。そのとき、記録の伝え手は、まず記憶の受け手としてのあり方を問われることになる。どのように歴史が書き換えられることになろうとも、その叙述が書き換えられるかぎり、そこにその出来事があったということを、まずはそのままに受けとめること。この誠実さを貫徹するにあたっては、何が正義で悪なのか、被害と加害を分断する境界線、運命の別れ目―あるいは、「仕方がなかった」で済まされはしないすべてのこと―に対しての解答などないと弁えること。リルケのいう「問い」にある忍耐を受けとめることを何よりも謙虚に受けとめていくべきではないかと考察した。

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