同調行動志向尺度・個人行動志向尺度作成の試み(1) : 大学生による小5時代の回想から

書誌事項

タイトル別名
  • Pilot Study on Construction of Conforming and Social oriented Behavior Scale, Its Reliability and Validity 1 : from the recollection at the time of the 5th grader in an elementary school by the college students
  • ドウチョウ コウドウ シコウ シャクド コジン コウドウ シコウ シャクド サクセイ ノ ココロミ 1 ダイガクセイ ニ ヨル ショウゴ ジダイ ノ カイソウ カラ

この論文をさがす

説明

社会化と個性化の発達の測度として同調行動志向尺度と個人行動志向尺度の作成を試みた.大学生233 名を対象に,小学5 年生時代を回想して「当時の自分に合っている」度合いを,それぞれの項目ごと5 件法で評定させた.両尺度ともに14 項目を分析の対象とし.同調行動志向尺度では,因子1(友だち関係 4 項目),因子2(学校・流行 5 項目),因子3(家族関係 5 項目)の3 つの因子が抽出された.個人行動志向尺度では,因子1(友達関係 5項目),因子2(家族・学校 7 項目),因子3(流行 2 項目)が抽出された.両尺度を比較すると,平均尺度得点は,同調行動尺度>個人行動尺度の関係が,両尺度間には負の相関が有意に認められた.個人の判断場面の状況認知の違いにより同調・個人行動の質の違いが生じていることが示唆された.伊藤美奈子(19931),19952))の個人志向性・社会志向性PN 尺度から構成概念の妥当性が検討された.同調行動志向尺度と社会性尺度(伊藤),個人志向尺度と個人志向性(伊藤)とにそれぞれ正の相関が,同調行動志向尺度と個人行動志向尺度および個人志向尺度(伊藤)との間に有意な負の相関が得られた.Cronbach の信頼性係数より両尺度の3 因子の信頼性および級内相関係数が算定され,それぞれ有意な独立した「1 まとまり」であることが確認された.小学生を対象とした調査の必要性,構成概念の妥当性や再テスト信頼性の更なる検証など,今後にいくつかの課題を残した研究結果であった.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ