顕微鏡下手術を用い神経温存可能であった後腹膜神経鞘腫の1例

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タイトル別名
  • A case of retroperitoneal schwannoma extracted by a nerve sparing procedure under microscopic surgery
  • 症例 顕微鏡下手術を用い神経温存可能であった後腹膜神経鞘腫の1例
  • ショウレイ ケンビキョウ カシュジュツ オ モチイ シンケイ オンゾン カノウ デ アッタ コウフク マク シンケイショウ シュ ノ 1レイ

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抄録

63歳男。左腰背部痛を認め、画像検査で左尿管結石、左水腎症の診断で入院し、MRUで左腸腰筋外側に腫瘤を認めた。後腹膜腫瘍が疑われたが、症状落ち着き、精査の希望なく退院となった。約5ヵ月後、右腰背部痛が出現し、腹部超音波で右尿管結石、右水腎症、腫瘤増大を認め、腫瘤はCTで内部やや不均一に造影された。腫瘍局在やMRIにて腫瘤尾側は神経と思われる索状物と連続していたことから、大腿神経原発の後腹膜神経鞘腫を最も疑った。全身麻酔下に手術を行い、腫瘤は被膜を有し、左腸腰筋に接した状態で、腫瘍の被膜を隔て、大腿神経の外側に存在し、神経本幹と強く癒着していた。顕微鏡を使用して腫瘍と神経を慎重に剥離し、腫瘍のみの全摘出が可能であった。腫瘍は結合織の被膜を有し嚢胞を伴っており、病理組織学的には紡錘形細胞が一部で柵状配列を示しながら増殖し、卵円形の腫瘍細胞が疎に増殖しており、Antoni AおよびAntoni Bが混在していた。術後に左大腿皮神経領域に感覚麻痺が生じたが、リハビリにより軽快し、運動麻痺も認めず退院となった。術後MRIで腫瘍再発は認めていない。

収録刊行物

  • 泌尿器科紀要

    泌尿器科紀要 52 (9), 707-709, 2006-09

    泌尿器科紀要刊行会

被引用文献 (1)*注記

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